今回は「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」を紹介します。
GAFAとは、米国のIT関連企業4社の頭文字をとって名付けられた造語で、
「Google、Apple、Facebook、Amazon」を表したものです。
これらの企業は今や世界を牛耳っており、私たちの生活においても欠かせない存在となっています。
the four GAFA 四騎士が創り変えた世界
本書は2018年7月に発売されました。
著者はスコット・ギャロウェイさんです。
彼はニューヨーク大学スターン経営大学院教授であり、連続起業家(シリアル・アントレプレナー)としても活動。
L2、Red Envelope、Prophetなど9つの会社を起業しております。
さらにYoutubeで公開している動画「Winners & Losers」は数百万回再生を誇り、TED「How Amazon, Apple, Facebook and Google manipulate our emotions(アマゾン、アップル、フェイスブック、グーグルはいかに人間の感情を操るのか)」では200万回以上閲覧されています。
the four GAFA 四騎士が創り変えた世界 から学べること。
「Google、Apple、Facebook、Amazon」これらの企業の存在を知らないという人は、まずいないでしょう。
そのくらい私たちの生活に根付いてます。
答えはいつでもGoogleに聞き、スマホといえばiPhone、Facebookでコミュニケーションを取り、Amazonで買い物する。
今まではそれぞれの業界で競合がひしめきあい、1つの会社がここまでの力を持つことはなかったと思います。
そして、この流れは加速しており、より私たちの生活に欠かせないものとなっていくでしょう。
そのような時代だからこそ、GAFAがどのようにビジネスモデルなのか、またどこを目指しているのかを知る必要があると思います。
「GAFAの基礎を知りたい!」「GAFAがすごいのはわかるがどういうビジネスモデルで成り立っているの?」と思っている人にはおすすめです。
GAFAをより深く知って、これからくるニューノーマルに備えましょう!
GAFAは味方?それとも敵?
これらの企業は人類を幸せに導く聖なる四騎士なのか?
それともヨハネの黙示録の四騎士なのだろうか?
どちらの問いに対する答えもイエスだ。ここではただ四騎士と呼ぶことにする。
the four GAFA 四騎士が創り変えた世界 P17
アマゾンが私たちの生活を豊かにしていることに異論をはさむ人はいないでしょう。
しかし、それは消費者目線の話です。
成長と引き換えに衰退してしまっているものもあるのです。
それは、アメリカ経済全体の小売業の数と成長です。
アマゾンが成長する前と成長した後で衰退・廃業した小売業社は数多く、小売業全体の成長率はほとんど変わっていないとのことです。
「ゼロサム・ゲーム」のような構図になっているということですね。
アマゾンにとってのよいことは小売業にとって悪いことであり、逆もまた真であると。ビジネス史上このようなことはかつてなかった。
the four GAFA 四騎士が創り変えた世界 P57
他よりも安い価格、店舗に行かずネットで完結、無料配送の便利さは魅力的です。
しかし、小売業が抱える社員だったり、支払いする賃金だったり、経済全体を俯瞰した時に、アマゾンにとっていいことが社会に及ぼす影響はどのようなものなのでしょうか。
その影響を深く考え始めた時、アマゾンは味方でいてくれるでしょうか。
本書ではアマゾンだけでなく、他の企業にも警笛を鳴らしています。
もちろん消費者としてしかアマゾンを見ていなかった私としては非常に面白い切り口のように感じました。
GAFAのビジネスモデルとは?
進化心理学の見地からすると、成功するビジネスモデルはどれも、体の3つの部位のどれかに訴えかけるものだ。
その3つとは脳、心、性器である。これらはそれぞれ人間の生き残り戦略の違う面を支えている。会社の指導者は、自分たちがどの領域にいるかーどの器官を刺激しているかーを知り、それに沿って戦略を練る必要がある。
the four GAFA 四騎士が創り変えた世界 P268
本書では脳 → 心 → 性の順に強力であると紹介しております。
代表的な例だとアップルは「性」に訴えかけているとよく言われています。
カルティエがルイ・ヴィトンがエルメスが、なぜ数世紀にわたりビジネスモデルを変えずに栄華を極め続けているかというと、それは圧倒的なブランド力があるからです。
それではそれらのブランドの何がいいのでしょうか?
それはブランドがその人のアイデンティティーであり、身に纏うことでこれ以上ないセックスアピールを獲得できるからです。
生存本能を除いた場合、子孫を残すということほど切実な欲望はないと思います。
iPhoneはAndroidに比べ値は張りますが、スタイリッシュなデザインでかっこいいですね。
スタバでMacBookをかちゃかちゃやっていれば、洗練されたイメージを醸成できます。
本書では他のグーグル・アマゾン・フェイスブックが現状どこにカテゴライズされ、これからどこを攻めていこうとしているのかも書かれております。
GAFAの共通点とは?
四騎士に共通する8つの要素がある。①商品の差別化、②ビジョンへの投資、③世界展開、④好感度、⑤垂直統合、⑥AI、⑦キャリアの箔づけになる、⑧地の利。これらの要素からあるアルゴリズム、1兆ドル企業になるためのルールが生じる。
the four GAFA 四騎士が創り変えた世界 P289-290
四騎士をこの規模まで成長させた共通の要素は8つあるそうです。
こんなにも多いのか!と思われた方もいるのではないでしょうか。
今回はそのなかで重要だろ思われる⑤の垂直統合を紹介します。
なぜ垂直統合が大切であるかというと、モノ消費からコト消費に時代が移り変わってきているからです。
今や物そのものよりも、消費者体験にこそ価値があり、消費者体験を最大にするためには川上から川下までコントロールする必要があるわけですね。
この流れを奇しくも体現してしまったのはリーバイズでした。
リーバイズには流通をコントロールする仕組みがなかった。1995年から2005年で、時価総額が70億ドルから40億ドルに減少したのはこのためだ。大衆百貨店の中を歩いていると、リーバイズのジーンズが積み上げられているのをよく見かけた。これは夢のある体験ではない。
the four GAFA 四騎士が創り変えた世界 P305
一方でこの流れを理解し、対処したアップルは今や製品と「性」をかけ合わせ、消費者体験を思うままにコントロールし、自社のブランド力に磨きをかけ、成長を続けています。
アップルを例にあげましたが、本書では他のグーグル・アマゾン・フェイスブックについても垂直統合の重要性を説明しております。
the four GAFA 四騎士が創り変えた世界 を読んだ感想
本書を読む前は「アマゾンってネットで小売している今最も勢いのある会社でしょ。
世間ではもてはやされているようだけど、勢いもそのうちなくなってくるんじゃないかな」と安直に考えてました。
しかし、本書を読み終えると、アマゾンのビジネスには壮大な続きがあり、今の成長は序章にすぎないのではないかと思っております。
それは他の三騎士にも言えることです。
私もビジネスマンとして本書から学んだことを少しでも活かせるように、アウトプットしていきたいなと思います。
本記事で紹介できなかった本書の魅力はまだまだたくさんあります!
少しでも気になった方は実際に読まれてみてはいかがでしょうか。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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