今回は原田 マハさん著の「本日は、お日柄もよく」を紹介します。
※ネタバレありです。
著者について
原田 マハ
1962 年東京都生まれ。関西学院大学文学部日本文学科、早稲田大学第二文学部美術史科卒業。伊藤忠商事株式会社、森ビル森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館勤務を経て、2002年フリーのキュレーター、カルチャーライターとなる。2005年『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞し、2006年作家デビュー。
2012年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞を受賞。2017年『リーチ先生』で第36回新田次郎文学賞を受賞。
本書のあらすじ
「えー、ただいまご紹介にあずかりました、鈴木でございます」
ありきたりな入り、退屈なスピーチ。
恋心をいただいていた幼馴染のあっくん。
今日はそんなあっくんの結婚式。
主人公のこと葉は猛烈な眠気に耐える。
しかし、抵抗虚しく、スープに頭を突っ込んでしまう。
大切な幼馴染の結婚式を台無しにしてしまった、
こんなダメ女には一生ツキは回ってこない、
そんな気持ちで会場を飛び出した。
トイレに逃げ込んだこと葉は一人の女性と出会う。
「あなたがあれをやってくれたおかげで、私もどうにか抜け出せたよ。あの退屈なスピーチから」
彼女は伝説のスピーチライター久遠久美。
彼女との出会いがこと葉の運命を変えることになる。
本書の感想
本書のテーマは何といっても「言葉」。
主人公の「こと葉」も「言葉」とかけている。
「言葉」とは何か。
それを深く考えさせられる本だった。
政権交代という大舞台。
スピーチを通じて語られる「言葉」が社会を動かしていくダイナミズムを描いている。
言葉に想いをのせる。
想いも言葉という装飾なくしては輝かない。
その過程を踏むことではじめて人の心を揺さぶる言葉ができる。
言葉という装飾を巧みに操るのがスピーチライターの仕事。
「言葉」をもっと大切に使いたいと思った。
コメント