「ライオンのおやつ」|あなたの人生は誰かを照らしていた

今回は小川 糸さん著の「ライオンのおやつ」を紹介します。

著者について

小川 糸

1973年生まれ。2008年『食堂かたつむり』でデビュー。以降数多くの作品が様々な国で出版されている。『食堂かたつむり』は、2010年に映画化され、2011年にイタリアのバンカレッラ賞、2013年にフランスのウジェニー・ブラジエ賞を受賞。2012年には『つるかめ助産院』が、2017年には『ツバキ文具店』がNHKでテレビドラマ化され、『ツバキ文具店』と『キラキラ共和国』は「本屋大賞」にノミネートされた。その他著書に『喋々喃々』『ファミリーツリー』『リボン』『ミ・ト・ン』など。

本書のあらすじ

男手ひとつで育ててくれた父のもとを離れ、ひとりで暮らしていた雫は病と闘っていたが、ある日医師から余命を告げられる。

最後の日々を過ごす場所として、瀬戸内の島にあるホスピスを選んだ雫は、穏やかな島の景色の中で本当にしたかったことを考える。

ホスピスでは、毎週日曜日、入居者が生きている間にもう一度食べたい思い出のおやつをリクエストできる「おやつの時間」があるのだが、雫は選べずにいた。

出版社特設ページ

感想

主人公の年齢は33歳。

自分とほぼ同年代ということもあり、感情移入しながら読み入ってしまいました。

ストーリーが進んでいくにつれて主人公の雫が自分の終わりが近いと感じているのがすごく切なかった。

命が燃え尽きるのをただ待つだけの日々。

雫の人生は仕事を淡々とこなし、結婚もせず子供も授からず、何のために生まれきたのか、自分の人生に価値はない。そう嘆いているように感じられた。誰がわたしを看取ってくれるのだろうか。

ライオンの家を最後の場所として選んだのも、穏やかに静かに終わりを迎えるためだったのだろう。

しかし、そんな主人公の空っぽな気持ちもライオンの家で過ごしていく中で、いろんな人と出会い変わっていく。

私なんて誰も気にかけてない。一人で生きてきた。そう想っている人にこそ読んでほしい。

誰かがあなたを励ましたように、あなたの命という炎もまた誰かを照らし導いていた。


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